ゲリラ豪雨の空


すごかった。ちょっと収まってきた、のかな?
空はかなりどんより、ゴロゴロ音がしてる。
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パチ&酒&バカ話

今日で7月も終わりですね^^
さっき用事があって外に出てたんだけど、暴力的な暑さ!
誰だ今年は冷夏になるって言ったの.....
まぁいいけど☆

マリーゴールドが派手に咲いて、目を和ませてくれる今日この頃、
どうにもストレスが溜まってしまい....。
昨日はバーンと飲みに行ってきました^^
ちょうど上の子の講習がいったん途切れて、夜のお迎えがなかったし(今日からまたあるけど)、
行くなら今日しかないじゃん、じゃー行っちゃえーと。

楽しかったなー☆
ひとりもつまんないし某悪いヤツ(そんなに悪くない^^)を誘い、
待ち合わせまで少し時間があったので1年ぶりくらいにパチ屋に入ったら、
化物語の台があったので、試しに打ってみたら即リーチ(ほんとにそうだったんだもん)、
そこから確変で大当たりが4回来ちゃって、時間かかるし、どうしよーでも今離れられないしなぁという、
でも落ちとしては1円パチンコだったんで、そんなに当たったというのに5000円くらいにしかならなくて、
ある意味びっくりしましたが^^
収穫としては、化物語のリーチ画面を3種類くらい堪能できたってことでしょうか^^
まー5000円なんで飲み代にはなったかなー。

そっからお気に入りの居酒屋へ行ったのですが、なんとそこが8月末に閉めちゃうというので、
ショック受けちゃって....
すごくいい店だったんですよー、カウンターだけの和食のとこですけど、何食べてもおいしくて、お酒も焼酎とか果実酒とかいろいろ置いてあって、2~3人で飲み行くなら大体そこ、ってくらいに気に入ってたんで、
ほんとすごいショック...。これからどこに行けばいいのよーって感じ。

二軒目は国分町まで歩いて行きつけのバーへ。
バカ話ですごい盛り上がり....。楽しかったです☆
ここのマスターが大体同じくらいの年なんですけど、かつての「ストナンの帝王」みたいな人なんで、
仙台人なんですけど、全盛期には山形や盛岡まで遠征し、週に4日路上に立ってナンパしまくっていたという話で、
ほぼ伝説って感じ☆マジ、本書いて欲しい☆って思いました。
どんなことでも極めると大体すごいことになりますもんねー^^

ってゆー感じでバカ話で盛り上がってストレス解消してきたので、明日からの夏休み後半戦もがんばれそうです!
作品も鋭意、作成中です!

せんだい文学塾、荻原浩先生の巻

毎日暑いですねー
でも今暑くないと夏が無かったことになっちゃうから、暑くないとですよね。
東北は夏が短いので(一気に来て一気に終わる、)
何にせよ今暑いっていうのは基本的にいいことなんだと思います☆

先日の「せんだい文学塾」についてまだ書いていなかったので、
あれこれ書いてみますね☆

今回の講師は荻原浩先生でした。
前回は震災の年にいらしていただいて、今回は二回目の講座でした。
先生のお作品は、うまく言えませんが文章に多少「抜け感」があるような清々しさがあるようにわたしには感じられるのですが、先生自身も、なんとなく飄々とした雰囲気の方です。あと、オシャレです。
今回はカジュアルないでたちでいらっしゃいましたが、チェックのシャツの微妙な青さとか、Tシャツの微妙なへたり具合とか、ツボでしたねー。あ、おしゃれさんなんだ!と思いました(すみません失礼でしょうか^^

さて今回の講座で印象に残ったことといえば、
「難しいことを易しく伝えるのが創作、難しいことをそのまま書くのは専門書の仕事」
「みんなに読まれよう、好かれようと思わず、伝わる人に伝えるつもりで」
「常に今の自分の最高傑作と思えるものを書く」
という言葉だったかなと思います。

そうだなあと思いました....でもむずかしいけど

懇親会も盛り上がりましたよー☆
今回はサプライズで、途中から仙台在住の熊谷達也先生も参加してくださいました。
お二人は小説すばる新人賞受賞の同期でいらっしゃるそうで、これまでも何度かお会いしているとのこと。
で、掛け合いがすごく面白かったんですよー^^
ここでどこまで書いていいかわかんないんですが、そうですねえ、
わたしにはまず....。熊谷先生の、奥様とのラブラブぶりが印象に残り、そして荻原先生の、
「お前、煙草やめやがって裏切り者!喫煙所仲間だったじゃねえかよ!」という心の叫び?が面白かったです☆
全く作風の違うお二人ですが、お話はとても息が合っていらっしゃいました☆

宴会の最中になんとなく思ったんですけど、(熊谷先生がいらしたことで震災時の話にもけっこうなったので、)
荻原先生はあのときとずいぶん雰囲気が違うなと。
どういうことかっていうと、あのときは本当に震災後すぐで、講座の次の日に、
わたしと夫と、先生方と(そのころ夫がちょうど石巻周辺、雄勝町など、被害のとてもとても大きかった地域に仕事で行くことが多かったので、道に詳しく、案内してもらったのでした。あの頃は地図にあっても通れない道路とか場所がけっこうあったので)先生方とまわったのですが、
なんかね、あのときはみんな顔が青かったんです。
当たり前だけど。
自分もそうだし、みんなそうだと思うんだけど、「普通に戻ろう、普通の顔しよう」って意識しすぎるあまりきっとその意識も飛んじゃっていて、今思うとたぶんあまり普通じゃなかったと思うのだけど、
それから考えたら、今は時間がいくらかでも過ぎて、顔が柔らかくなってきたんだな....と、
感じました。
あの時に見た雄勝の海のきれいさというのは、忘れられない光景です。
湾内の海はきらきらしてすっごくきれいだったんだけど、振り返ると......

うん。

そんなこんなで、今回の写真を撮ってきたのでアップさせていただきますね^^
きっと珍しいですよ~この2ショットは^^
堪能してください☆(いちおう、お二人には許可をもらっていますが....。酔っぱらっていらしたんで、大丈夫かなぁ?)
荻原先生、熊谷先生
楽しそうでしょ??
というわけで、この講座は毎月やっていますので、参加ご希望の方はお気軽に申し込んでくださいね~
わたしに連絡くださってもいいし、
「せんだい文学塾」で検索していただけると、HP出てきますよ☆
ちなみに、「文学塾」とあるので自分でも書かなきゃいけないと思いこんでる人も多いと思いますが、
そんなことないですよー、普通に聴講できますし、懇親会参加もOKです!
待ってますね!(大体毎回、受付に座ってます~~)

(短編小説) 蟹妻

 「蟹妻」                            
                                    乃村寧音(チアーヌ)


 明け方ふと目を覚ましたら、隣で眠っていたはずの妻が、蟹になっていた。
 かさかさ、もぞもぞ。
 全長四十センチくらいはあるだろうと思われる蟹が、妻の枕のあたりでうごめいている。
 僕は驚いて体を起しメガネをかけ、じーっと蟹を見つめた。蟹は泡を吹きはじめた。どうやら本物の蟹のようだった。
「ど、どうして・・・。祐子、祐子、どこだ」
 家の中は静まり返っている。妻はいない。
 口の中でもごもごとつぶやいてみたが、らちが明かない。
 妻が消え、蟹がいる。
 これはやはり、妻が蟹になったとしか僕には思えなかった。
「ゆ、祐子。お前、祐子なのか」
 蟹は泡を吹き続けている。これはたぶん、僕に自分が祐子であることを知らせようとしているのに違いない。
 蟹、と言えば水中の生物だ。もしかして、陸では苦しいのか。
「待ってろよ、今、水を用意するからな」
 僕は慌てて立ち上がり、風呂場へ行くとタライに水を張り、蟹を入れた。
 タライに入れると、蟹は喜んでいるように見えた。
「祐子。どうして蟹なんかに・・・」
 僕は混乱する頭を必死になだめながら、会社へ行くしたくをはじめた。
 いつもなら、スーツとワイシャツとネクタイは、僕が起きたときにはすでに祐子が用意してくれている。元スタイリストの祐子のセンスは抜群だ。手先が器用なので家事もうまく、料理の腕も良く、祐子を妻にして三年、僕は充分に満足していた。
 僕は戸惑いながら着替えを済ませた。もちろんバターを丁寧に塗りなおしながら時間をかけて焼いたトーストや、僕好みの豆をミルで挽いて入れてくれたコーヒーもない。いつもなら僕が起きたときにはすでにテーブルの上に置いてある新聞も無い。きっとまだマンション入り口の郵便受けに入っているのだろう。
 きっと、蟹になってしまったから、食事も作れなくなって、新聞を取りにいくこともできなくなって、僕のスーツの用意もできなくなってしまったんだ。そうに違いない。かわいそうな祐子。
 したくが済むと僕は風呂場へ顔を出し、
 「それじゃ会社に行って来るよ、祐子」
 と声をかけ、家を出た。

 仕事をしていると昼飯の時間になった。仕事に集中しているときは僕もなんとか普通でいられたのだが、昼飯の時間になってしまうと、集中が途切れ、どうしても蟹になってしまった祐子のことが気になる。
「聡史さん、どっか行きましょうよ」
 後輩の後藤が声をかけてきたのを汐に僕は立ち上がった。

 会社からちょっと離れたところのコーヒーショップでパスタを頼んだ。後藤はもっと腹持ちのいいものを食べたかったらしいのだが、僕が気乗りしなかったのと、会社の人間がたくさんいる近くの定食屋へ行く気になれず、人の少ない店を選んだのだ。
「聡史さん、どっか具合でも悪いんですか」
 食後のコーヒーを頼むと、後藤がタバコに火をつけながら話かけてきた。
「いや、ちょっと」
 まさか、朝起きたら妻が蟹になっていたとはいえない。
「ちょっと変ですよ、どうしたんですか聡史さん。元気ないし」
 後藤はちょっと軽いが基本的には気のいいやつだ。こいつにだったら話しても、と一瞬僕は考えた。しかし、やはり迷う。
「いや、まぁ、大したことはないんだが・・・。あ、そうだ、そういえば、蟹ってどうやって飼えばいいか知ってるか?」
「蟹?蟹ですか? かう? ああ、そんなら魚屋で売ってるんじゃないですか」
「いやそうじゃなくて、もういるんだ、蟹が」
「えっそうなんですか。そしたらそういうのは、届いたらすぐにゆでるかなんかするんじゃないですか。俺の実家じゃそうでしたけど」
「いや、そうじゃなくて」
「あ、それとも食用じゃないみたいな、小さな蟹ですか? 釣りのえさみたいな? あれっ、聡史さんってそういう趣味ありましたっけ」
「ないよ。釣りのえさ? 蟹って釣りのえさになったりするのか。いや、だからそうじゃなくてさ」
「蟹って、どんな蟹ですか」
「そうだなあ、結構大きいんだ。四十センチくらいはあるかなあ」
「お、いいっすねえ。たらばとか、毛蟹とか。ずわいとか。そういうのでしょ」
「ああ、そうだな、うん、見たところはそういう感じだな」
「そっかなるほど、食べる暇がないんですね。そういうのはゆでたあと冷凍しておけばいいんですよ、実家じゃそうしてました」
「いや、だからそうじゃなくて・・・」
 話が噛み合わない。どんどんずれてくる。後藤と話していると、頭が混乱してくる。
「そうじゃないよ、そうじゃなくて、飼い方が知りたいんだ。だから、飼育法だよ」
 後藤は、タバコの灰を落としそうな勢いで目を丸くした。
「は? 飼育法? 飼うんですか? 蟹を?で かい蟹を? たらばとか、毛蟹とかを?」
「そうなんだ」
 後藤はふうっと煙を吐き出した。僕はしばらく前に煙草はやめている。ちょっと前まで、禁煙のせいかずいぶんイライラすることもあったが最近は収まってきていた。
「そういえば、蟹工船っていう小説がありましたね、あれは蟹の話でしたっけ。教科書に載ってましたよ」
「それ、蟹の飼育法が書いてあるのか」
「どうっすかね、読んだことないから。まぁでも蟹ってタイトルに入ってるくらいだから、そういうことも書いてあるんじゃないですか」
「なんだよ、適当なことばかりいうなよ。こっちは真剣なんだぞ」
「真剣っていわれても。うーん。あ、そういえばすし屋の生け簀にたまにいますよね。ってことは水槽で飼えるんじゃないですか? 塩水とか入れて」
「なるほど、そうか!塩水と、水槽だな。今タライに入れてるんだけどさ、やっぱりタライじゃダメだよな」
 僕は会社帰りに、水槽を買って帰ることに決めた。
 後藤はどこか珍しいものでも見るように僕を見ていた。

「ただいま、祐子」
 僕は会社帰りに熱帯魚店へ行き、大きな水槽と、海水の素だという粉薬を買ってきた。これをいれると、普通の水が海水になるんだそうだ。最近は趣味で海水魚を飼う人間が増えているということで、こういうものも市販されているらしい。
 熱帯魚屋のアルバイト店員は、不思議そうな顔をしながらそれを薦めてくれ、ついでに、
「あのー、たらばとかずわいとかは、北の海にいる蟹なんで、とにかく水を冷たくしたほうがいいんじゃないですかね」
と教えてくれた。なんでも、冷たい水を好む魚のための専用クーラーがあるそうなのだが、その店員も実物は見たことが無いらしく、おそらく値段も高いだろういうことだったので取り寄せてもらうことはしなかった。
「祐子!ほら、水槽だぞ。これから、塩水を作ってやるからな」
 風呂場のタライの中で、蟹の祐子がゆっくりと足を動かしながら、僕を見つめている。
 僕は風呂場の脱衣所に水槽を置くと、ホースで水を入れ、海水を作り、冷凍庫から氷をたくさん持ってきて、その中にどばどばと放り込んだ。要するに水を冷たくすればいいんなら、これで充分だろう。クーラーなんか必要ない。
 そして準備ができると、そこへ蟹の祐子を入れた。 祐子は持ち上げられたとき、ブクブクと大量に泡を吹いていたが、水の中に入れられるとそれも見えなくなった。
 「これでよし、と」
 僕はその様子に満足してリビングへと戻り、テレビをつけソファに寝転んだ。

 次の日の朝、僕は昨夜コンビニで買ってきたパンと牛乳の朝食をとりながら、ふと、蟹の祐子の食べるものはなんなのだろう、と考えた。そういえば昨日から何も食べさせていない。
 これはまずいぞ。
 ばたばたと家を出て駅までの道をスーツ姿で走りながら、僕はずっと蟹のえさについて考えていた。

「へっ。マジで飼ってるんですか? 聡史さんって変わったことしてますね」
 あきれたような顔で後藤にいわれたが、他に相談できるような人間がいなかったのだから仕方がない。
「いろいろと事情があるんだよ」
「ずわいとかたらばとか毛蟹とかを飼う事情って、どういう事情ですか? それ、すげえ知りたいっすよ」
「そのうち話すよ。で、蟹って何を食べるんだろうな、お前知ってるか?」
「蟹なんか飼ったことないから知りませんよ。あ、でもそういえば、こどもの頃ザリガニを飼ってたことありますよ。そのときは確か、煮干とかソーセージとかやってたなあ」
「ザリガニって蟹なのか?」
「よくわかんないですけど、ま、似たようなもんじゃないですか?」
「まあそうだな、蟹は海にいるんだから、たぶん魚とかそういうものを食べるんだよな。なるほど煮干か、よし、それでいこう」

 帰り道、僕は自宅近くのスーパーで、煮干を一袋買った。外で軽く食事をしてきたので、閉店時間の間際だったがなんとか間に合った。祐子がいないと、家で夕食が食べられないので不便だ。
 そして家につくと、僕はすぐに脱衣所に置いてある水槽へ向かった。
 蟹の祐子はおとなしくそこにいた。
 「祐子、えさだぞ。煮干だぞ。食べるだろ」
 僕は水槽の中に煮干をざばざばと入れると、少しほっとした。
 そして冷蔵庫からビールを取り出してリビングのソファに腰を下ろし、ふたを開けて飲みはじめた。

 次の日の朝、後藤と顔を合わせると、後藤が手を合わせながらにこにこと近寄ってきた。
「おはようございます聡史さん。実は今日の夜ちょっと、付き合って欲しいんですけど。合コンの人数足りなくなっちゃったんですよ。独身ってことで、来てくれませんか。ま、いつもの感じで」
 僕は見た目がまぁまぁなのと、無難な人柄を買われているのか、昔から合コンには良く誘われる。男のメンツを揃える場合、そこそこ女慣れしているヤツをひとりやふたりは押さえておかないと女のほうで二度と話に応じてくれなくなるから、僕のような既婚者なら逆にガツガツしていなくていいと思われているのかもしれない。そんなわけで僕は別に遊びが好きなわけでもないけれど、女には苦労したことがない。
「ああ、でも」
「何かあるんですか、今日」
 僕の頭の中に、蟹の祐子のことがちょっとちらついた。が、えさを与えてきたんだから別に大丈夫だろう。
「まぁ、いいよ。付き合うよ」
「すみません」
 後藤が笑いながら離れていった。

 その日の晩の合コンは、われながらとんとん拍子に進んで、気がついたら僕はわりとかわいい二十二歳の女子大生とホテルにいた。 僕は今年で三十三歳だし、正直その子のことはそんなにタイプでもなかったから強く誘った覚えは無いのだけれど、女の子の方がずいぶん積極的だったので乗せてもらうことにした。まぁ据え膳を断るのって逆に失礼だしね。
 女の子を送って、タクシーで家に帰りつくともう四時半だった。これから寝て、明日また仕事かと思うとうんざりしたが仕方がない。 玄関に入ったとたん、僕は睡魔に襲われて倒れこんだ。

「全く、聡史さんときたら一番おいしいところを攫ってくことないじゃないですか。結婚してるんですから、ちょっとは遠慮してくださいよ」
 後藤がニヤニヤ笑いながらいう。
「いやぁ。そういうつもりじゃなかったんだけど。あっちが積極的でさ」
「あの子が昨日のメンツの中では一番かわいかったですよ。俺も狙ってたのになあ」
「お前こそどうだったんだよ? そういえば途中からずっと二人で話し込んでた女の子がいたじゃないか。あのままいい感じに持って行って、連れて帰ったんじゃないの」
「ええ、まぁ。そうしましたけど、でも朝になってよく顔見たらぜんぜん趣味じゃないことに気がついて。頭も悪そうだし...うちに連れ込んだの間違ってたかな。ホテルにしておきゃ良かった。給料日前で金欠だったからついケチっちゃって。あーまだいたらどうしよう」
「なんだ家に置いてきたのか」
「朝起きたら時間無くて。あっちはまだ寝てるし。適当に帰ってくれていいからっていってきたんですけど」
「あーそれまだいるかもな」
「やめてくださいよ、いないこと祈ってるんですから」
 サラリーマンのランチタイムが終わりかけていた。後藤が思いついたように話題を変えた。
「そういえば、蟹、どうしました?」
「あ、ちゃんとエサやってるよ、煮干しとか」
「へー、家で飼えるもんなんですね蟹って。すぐにゆでなきゃだめなんだと思ってましたよ。でも、ほんと、なんで蟹なんか飼ってるんですか?」
「いや、うーん。だから事情があってさ」
「事情ってなんですか? そういえばこのあいだもそんなこといってましたけど」
 後藤が真顔でたずねてきた。僕はちょっと怯んだ。
 話していいものなのだろうか。
 少し迷ったけれど、こんなことを話せるのはやはり後藤くらいしかいないような気がした。僕は話すことにした。
「実は、妻が変身したらしいんだ」
「はぁ? 一体どういうことですか」
「明け方に目を覚ましたらさ、隣に蟹がいたんだよ。妻が寝ていたはずの場所に」
「蟹がですか?」
「ああ、蟹が」
「蟹って、たらばとか、ずわいとか、そういう・・・」
 後藤はちょっと唖然としているようだった。
「たぶんな」
「奥さん、もう起きて家事をしてたとかじゃないんですか」
「いや、家の中には誰もいないんだ」
「あのー、よくわかりませんけど」
 後藤は大きく息を吐きながらいった。
「それって、奥さんが蟹を置いて出て行っただけじゃないんですか?」
 僕は黙った。
「だって、いくらなんでも奥さんが蟹になるわけないじゃないですか」
「でも、じゃあなぜ蟹がいるんだ。ちょうど妻の枕のあたりにいたんだぞ」
「だから、それはよくわかりませんけど。あ、でもそういえばそういう小説がありましたね、朝起きたら虫になってたっていう。確か、『幼虫』とかいう」
「それ、『幼虫』じゃないだろ。タイトル違うよ」
 僕もそういいながら記憶は曖昧だった。
「違いましたっけ。朝起きたら、ものすごくでかいカブトムシの幼虫みたいなのになってるんですよ。確か悲惨な話だと思ったなあ」
「お前そんなの読んだことあるのかよ」
「ないですけど。だって怖いじゃないですか、そんな話。要するに怪談でしょ。俺、オカルトだめなんですよ」


 僕がその日、残業を終えて深夜に家へ帰りつくと、水槽の中で蟹が死んでいた。
 すでに蟹も水も腐りはじめているのか、風呂場には嫌な匂いが充満していた。
 与えたはずの煮干は、結局ほとんど食べた様子はなく、ただ水の腐敗を早めただけのようだった。
 早く水槽から出して処理しなくてはと思いながら、僕は腐敗した生き物の臭いに頭が痛くなり、そっと風呂場のドアを閉めると、リビングに戻ってビールの栓を抜き、飲みながらしばらく考えていた。
 あれは祐子なのだろうか。
 それとも、祐子が置いていった蟹なのだろうか。
 もしも祐子が蟹を置いていったということならば、なぜ祐子は蟹を置いていったのだろうか。
 いつしか蟹の腐った臭いがリビングルームへと流れてきていた。僕は耐えられずちょっと吐いた。床に吐瀉物が飛び散った。
 そして僕はそのまま、重たい体を寝室へ運び、ベッドへと転げ落ちた。

                                                おわり


ブログ版あとがき

この作品はずいぶん前に書きましたけど、今でもけっこうお気に入りです。
読んでいただければわかる通り、カフカの「変身」のイメージがなんとなくベースにあって、
インスパイアされて書きました。
高校時代、不条理ものが大好きでした☆
その中でもカフカはとってもお気に入りで、何度も読みました。「城」もいいですけど、
やっぱり「変身」はとってもキャッチーで、ぞくぞくして、10代のわたしは素直に、
「カフカってかっこいい~」
みたいな感じに思ってました^^
バカですねえ、でもバカで良かったのかも^^






夏休み始まった

夏休みしょっぱなの3連休で家族旅行を済ませ、
今日はある意味通常モードでした。
昨日は一日、片付けとか洗濯とか、あとレッスンもあったのでちょっとバタバタしちゃったけど、
今日は朝からラジオ体操の当番だった以外は、美容院にいったり掃除したり、のんびりしてました。
でも夕方気力がくっと落ちて、疲れて寝落ちしたら夢見がちょっと悪くて、
やろうと思ってた草むしりはできなかったけど....。

まぁそんな感じで、夏休み始まりました。当然ですがわたしのじゃなくって(当たり前だ)子供たちのですー。
一か月....長いなぁ....。
まぁでもイベントが最初に終わっちゃった感じで、あとは子供たちも親もスケジュールに沿ってという感じ、学校のプールとか部活とか塾の講習とかねー。ある意味旅行を最初にしちゃってよかったのかも。一番何もないときだったんだよね。

全然関係ないけど、あまり外に出す機会のない、前に書いた小説とかブログに少しあげておこうかなと。
PCの中にただ保存していてもしょうがないしね^^
全くエロくないやつがたぶんほとんどですが、良かったら読んでくださいね☆
感想とかもらえたらたぶん尻尾振って喜びます☆